どことない不安感を抱きつつ、御殿場口から山頂へ向けて歩き始めたのであります。
 序盤は、体力に余裕があるので…、
 

「今年は高山病にだけはなりたくないなぁ…」
「5合目で4時間くらい仮眠とったし大丈夫じゃない?」
「去年はそれでも高山病になったのよね…。」
「念のため、7合目くらいまではゆっくり登ろう!」
「りょーかい」


 とか…、


「御殿場口は5合目でしかも標高が低いのに、雰囲気は須走口の7合目みたいだね」
「そだね、膝下くらいの高さの植物しか生えていないからそんな感じだね…」


 とか…、


「しかし、登山客がほんと少ないね…」
「だのう…、これは夜中に登ろうとすると、慣れた人がいないと道に迷ってしまうかもしれん…。」
「だな。夜間登山をする時は須走口にしよう」


 などなど、余裕扱いて会話を交わしつつ登っていたのですが、ほどなくもう一つの異変に気づいてしまったのでした…。


「おかしい…、5合目の休憩所を出発してかれこれ30分近く歩き続けたけど、いっこうに6合目に到着する気配がないな…」
「そだね…。M氏が遅れ始めているし、少し休憩するか…。」


 こうして、その後は約30分登るたびに道ばたの手頃な岩場で20分程度の休憩をいれつつゆっくり登っていたものの、登山道にほとんど標識もなく、自分たちがいまどのくらいの地点にいるのかさっぱりわかりません…。


「おかしいなぁ…。もう出発してから4時間たったし、そろそろ7〜8合目についているハズなんだけどねー。」
「さっき1時間くらい仮眠とっちゃったりしてたから、去年よりペースはゆっくり目だけどね。」


 こうしてゆっくりゆっくり登りつづけ…、


「おっ、あそこに看板が立ってる!」
「やっと現在地を確認できるなw」


 そして、我々がようやくたどりついた看板には驚愕すべき文字が書かれていたのでした…。



 御殿場口 新6合目 標高2590メートル



………絶句………


「んー、おかしい俺の目には6合目って書いてるように見える…」
「うん、俺もそう見える…」
「見間違いじゃないのか…、5合目を出発してから4時間半もかかってやっと6合目かよ…」
「ペースをゆっくり目にしていたとはいえ、ちょっと予想外だね…」
「あの登山口の小屋がある場所は5合目じゃないな…。2合目とか3合目なんじゃない?」
「そだね…」


 御殿場口から登山を計画されているみなさん!
 駐車場のある5合目から6合目までは、須走口と違ってえらく遠いので気をつけてくださいね! (゜ーÅ)

つづく

 ※2008年から毎年1回のペースで富士山に登った記事をまとめました。
 

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