ヤマハさんに招待していただき、東京メトロの浦安駅から歩いて約15分ほどの場所にあるニューポート江戸川でマリン塾「操船マスターII」 という講座を受講させていただきました。
ニューポート江戸川で開催されている「操船マスターII」の講座は「横浜への往復」と「東京運河巡り」の二種類あるのですが、
今回は前者で、江戸川の河口にある浦安から横浜まで往復しながら航路上の危険地帯や操船スキルを向上させるためのコツを教えてもらったり、
免許を取ったら忘れてしまいがちなロープワークを復習するなど、
ボートの免許を取得して経験の浅い初心者向けの講座の方を受講させていただきましたので、簡単にどんな内容だったのか紹介させていただきます。
●座学編
まずは海図を使って、横浜へ向かう途中にどんな目印を目標に、どの進路で、どんなスピードで走るのかを調べるところから始めました。
今回は東京湾アクアラインの風の塔を最初の経由地点とすることになったので、海図上の風の塔とニューポート江戸川に2つの三角定規をあてがい、
写真右側の三角定規はそのままで左側の三角定規をスライドさせ、方位を調べます。
写真右側の三角定規はそのままで左側の三角定規をスライドさせ、方位を調べます。
次はコンパスをあてがい、
その横にある緯度尺で距離を算出します。
これでニューポート江戸川から203度の方向へ、
8海里ほど進めば風の塔へ到着することがわかりました。
ということは24ノットのスピードで進めば20分で到着することになります。
こんな具合にすればGPSナビゲーションシステムが故障して使えず、悪天候で見通しが効かない状況であったとしても安全に目的地へ到着することができるのです!!!
まぁ、初心者のウチは悪天候の時は素直に航行を諦めるのが賢明な判断であるかとは思いますけどね…。
ちなみに、ニューポート江戸川では受付の窓口の右側に風速、潮の干満などの情報が掲示されています。
この日の風速は9mほどあり、初心者には若干厳しいコンディションではあったものの、ベテランの講師陣の方がサポートしていただけるということで無事出航することになったのであります!
こんなに良いお天気だったんですけどね。
●クルージング編
さて、ここからが本番です。
今回は3名の参加者が代わる代わる操船して横浜まで往復するのですが、最初の関門はロープワークでしたね…。
基本的なロープワークすらすっかり忘れてしまっていて四苦八苦したものの、なんとかフェンダーを船内に格納して離岸を果たしたのであります!
・浦安周辺の危険箇所
ニューポート江戸川から東京湾へ出航する場合にはいくつか気をつけなければならないポイントがあります。
最も気をつけなければならないのは東京ディズニーランドの対岸にある「三枚洲」と呼ばれる浅瀬で、何度も座礁事故が起こっているのだとか…。
日常的に船に乗っている方にとっては当たり前の知識となっているようですが、年に何度かしか船にのらない我々のような初心者にとってはこの浅瀬の存在は忘れがちで、かなり危険な場所となっています。
実際、この近くに向かってみると要所、要所に目印となるブイが浮いていたり、ナビの画面にも立ち入りをはばかれるような表示がなされているなど、危険地帯が判断できるようになっていました。
他にも、河口にある湾岸道路の下も千葉県側の2番目と3番目の橋脚の間を通行するようにしたり、
屋形船の停泊しているエリアは徐行して引き波を立てないようにするなど、クルマの運転にはない注意事項があるようです。
そして、1時間弱ほど航行を続けたところで最初の目的地である風の塔に到着!
シン・ゴジラの冒頭で「私は好きにした、君たちも好きにしろ」という台詞が飛び出したところですw
・東京湾の航路
そして、1日に500隻以上もの船舶が行き交う東京湾には他にも注意すべきルールがあります。
まず、羽田空港の沖合いには東京沖灯浮標が設置されており、その浮標を中心にして半径1海里に入った船舶は反時計回りに航行しなければなりません。
今回の場合、風の塔への往路は反時計回りに侵入できるので気にする必要はないのですが、横浜からの復路は航路に侵入しないよう羽田空港よりに進路を取る必要があるのです。
他にも、浦賀水道航路や、中ノ瀬航路、
東京湾アクアライン東水路など…、船だと縦横無尽に航行できるかと思いきや様々なルールが定められています。
クルマと違って標識が存在しないので、出航前に調べておくことが大事なようです!
ちなみに、航路は船舶の合間を縫って垂直に横切るのことは許されているのだそうです。
以前、花見で木更津から横浜へ向かったときに航路を横切ってしまった記憶があるのですが、セーフなようで安心しました… (^_^;)
・操船について
個人的には「風が強かった」ことが非常に勉強になりました。
というのも、目標とする目印の建物を決め、コンパスの目盛りを頼りに進路を定めても、風や波などに煽られてまっすぐ進めないような状況だったのです。
受けた波の強さに応じて切り舵を調整したりするのがけっこー楽しかった!
クルマでいう「コーナリングでカウンターをあてて走る」というのが、いつ発生するのか読めないのですよw
あとは…着岸かな…
今回は講師の先生が離岸着岸をされたので練習する機会がなかったのですが、クルマの発進、停車に比べて遙かに難易度が高いのですよ…。
それには練習あるのみなので、近いうちにクルージング企画を立ち上げて楽しみたいと思います!
その前に、着岸の前のフェンダー取り付けといったロープワークの練習もしないとね…(^_^;)
では、航海中に撮影した写真をいくつか紹介して今回のレポートを〆させていただきます。
あ、そうそう、秋の紅葉に向けてオススメのクルージングプランがいくつか紹介されたので、今回おぼえた技術を忘れないうちに何かを企画してみたいと思います!
おしまい