Synapseのオンライン講座「ケント白石の科学的写真術」を受講している受講生を対象に、2018/1/6〜8の日程で開催された第二回 現像&印刷講座に参加させていただきました。
今回の講義では現像と印刷に重点を置いたため積極的に撮影にでかけることはなく、受講生がこれまでに撮影した作品をケント白石先生に現像していただくことになったのですが、ワタクシが撮影したある写真が嘘のようにまったく別物に生まれ変わったのです!
今回はその経緯を簡単にレポートさせていただきます。
ちなみに、その写真を撮影した機材はSONYのα7R Mark3なのですが、この機種から搭載されたある機能を使って撮影していたおかげで今回の奇跡が現実のモノとなりました。
その機能についても簡単に説明していますので、最後まで読んでくださいませ!
まず、ワタクシがケント白石先生に現像していただきたいと選んだ写真はこちらです。
これは合宿直前に北海道の野付半島で夕焼けで橙色に染まる草原に佇む鹿を撮った一枚なのですが、太陽が白潰れしていたり、色味が黄色すぎて現実のモノとはかけ離れていたため、ケント白石先生でも思うような現像ができす…、
「この写真はキビシイね…」
「露出をハイライト測光で撮ってさえいればなんとか救えたかもしれないのに…」
とつぶやかれたのです。
そこで記憶を紐解いてみたところ、何枚か撮った写真の中にまさにその『ハイライト測光』で撮ってみた写真があったことを思い出したのです!
そうして探し出したのがこちらです。
一見すると、太陽の明るさは調整可能そうに見えるものの、手前の草原にいるハズの鹿はまったく見えません。
しかし、ケント白石流現像術にかかれば、こんな写真に生まれ変わってしまったのです!!!
真っ黒につぶれていた草原に佇むエゾシカがクッキリと浮かび上がり、橙色の夕焼け空も雲の表情が蘇っています。
4Kモニターに表示させても画像が破綻していないんですよ!
よもやここまで生まれ変わるとは思いませんでした…。
圧巻のひと言につきます!
ちなみに、SONYではα7R Mark3から搭載された『ハイライト測光』は画面内の明るい場所を重点的に測光する露出モードで、夕焼けや朝焼けなど太陽を撮影するときなどに有効です。
しかし、明るい場所を中心に測光すると、暗い場所はより暗く写ってしまうワケで、撮影現場でLCDモニターに表示された写真をチェックしたときに黒く潰れて鹿が見えないことに気付いてマルチ測光に切り替えてしまったんです…。
それが現像で明るさを調整するだけで、黒く潰れた草原の質感をここまで蘇らせることができるとはね…。
α7R Mark3はRAW形式で写真を撮ってさえいれば現像で調整できると知識では知っていましたが、その性能にも驚くばかりです!
一発逆転とは、まさにこのことですねっ!!!
しかし、今回は反省点がひとつあります…。
それは…、
色味を調整したEVFファインダー越しにしか風景を見ておらず、現実世界の色味を覚えていなかった…
ことです…
ミラーレスカメラではホワイトバランスを調整してしまえば、EVFファインダーに表示される色味と撮影される写真の色味は一致しています。
しかし、それは良いトコロでもあり、悪いトコロでもあるように、今回ばかりは思わざるを得ませんでした…。
個人的には現実世界とはかけ離れた色味に調色することも好きなのですが、肉眼で見たままの世界を再現することも重要であると感じたので、焦ってシャッターを切ることばかり考えず、肉眼で色味を記憶することも課題として取り組みたいと思います!
ということで、宣伝です。
今回、ケント白石先生がどのようなテクニックを使って現像されたのかについてはあえて説明していません。
ケント白石先生だけでなく井上浩輝先生から撮影や現像など撮影技術に関する講義を受けることができるだけでなく、受講生が撮影した写真を動画で講評していただけたり、
つづく